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2005.03.05

ひまわり

himawari
ひまわり@シャンテシネ1(3月3日)
監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
出演:ソフィア・ローレン/マルチェロ・マストロヤンニ
(1970年/イタリア/107分)

*ネタバレあります

ソフィア・ローレン出演100作目の映画「微笑みに出会う街角」が間もなく公開されるということで、それを記念して日比谷のシャンテシネで「ひまわり」が公開されている。他に見たい映画があまりなかったので、モーニングショー限定だったけど、早起きをして足を運んでみた。

にしても、やっぱりいい映画だなぁ。テーマ曲がずっとずっと耳に残り、冒頭とラストの“ひまわり畑”がずっとずっと目に焼き付く。これほどまで強烈な印象を残してくれる映画は、あまりないと思う。というか、すいぶん昔(小学生の頃だと思う)にNHK教育(…だったかな?)で見たことがある映画なんだけど、その時のひまわり畑が未だに印象に残っているくらいだ。

例えば「これから泣かせますよ」っていうのが見え見えなラストシーン。今の映画でこういうシーンを見たら、私なんぞは、きっとしらけちゃうと思うんだけど、「ひまわり」の場合は、ちゃんと感動させてくれる。うるうるきちゃう。テーマ曲も、これ以上ないっていうくらい大げさにラストシーンを盛り上げているのが分かる。やり過ぎだろ…と突っ込みたくなる寸前のところ。でも、ちゃんと泣かせてくれるのだ。

時は第二次世界大戦。ジョバンナ(ソフィア・ローレン)の愛する夫、アントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)はロシア戦線に行ったきり帰ってこない。終戦後、復員兵が続々と帰ってくるなか、戦場でアントニオと一緒だった兵士に出会い、こんなハナシを聞く。雪の中で身動きが取れなくなったアントニオと別れたと…。しかし、そんなハナシを聞いても、ジョバンナはアントニオが生きていると疑わない。

ところが、消息は依然わからないまま。生きているか死んでいるか分からないアントニオのことを思い続け、日々やつれていくジョバンナ。冒頭で見せた、若さにあふれる幸せたっぷりの姿とはうって変わり、どっと老け込む。痛ましいほどに。結局、ジョバンナは、アントニオの消息を確かめるためにロシアに向かう。印象的だったのは、木の枝で作った兵士の墓が永遠に続く丘のシーン。アントニオが生きていると信じつつも、1つ1つお墓を確認していくジョバンナの姿は切な過ぎる。

そんなジョバンナは数年ぶりにアントニオと再会する。運命の再会――。しかし、アントニオには妻がいて、子供もいた。

戦争が2人を引き裂いたといえば、簡単過ぎるだろうか。戦争はいつでも残酷だ。生きているハズと自分に言い聞かせつつも、心のどこかでは死んだと思っていた夫が生きていた。けれど、かつてのようにはもう愛せない。一緒になることはできない。再会までの間に過ぎ去った時間。そう、時間は冷酷だ。2人には2人それぞれの生活がある。お互いに戻りたくても、もう戻ることはできないのだ。

同じように撮っているにもかかわらず、冒頭の“ひまわり畑”と、ラストの“ひまわり畑”は全く違って見える。SUNFLOWER。冒頭で見せた明るく健康的な太陽の花は、ラストでは、まるでお墓のよう。あんなにたくさんあるのに孤独。まるで映画の中盤で見せた、兵士のお墓のようだ。


そういえば、映画館にはオバちゃんたちがたくさん見に来ていたけれど、きっと自分の青春時代と重ね合わせつつ見ていたんだろうなぁ。ソフィア・ローレンのようになりたかったあの頃を思い出して…。

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