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2005.02.03

またの日の知華

mata
またの日の知華@シネマスクエアとうきゅう(1月23日)
監督:原一男
出演:吉本多香美/渡辺真起子/金久美子/桃井かおり/田中実/田辺誠一/小谷嘉一/夏八木勲/吉岡秀隆

私はこの映画を、どうにもならないもの、あるいはどうにもならないと思っているものを受け入れる男と女のハナシとして見た。

「またの日の知華」は、1人の女性(知華)と、彼女を巡る4人の男の物語。全4章からなり、章ごとに知華を演じる女優が変わるのが面白い(第2章の渡辺真起子がイチバン好きかな…)。1人の女性も見る人によって違って見える…ということ。監督は「ゆきゆきて、神軍」「全身小説家」原一男。劇映画を撮るのは始めてだそうだ。

この映画で最も興味を惹かれるのは時代背景。冒頭のモノクロ映像では60年代安保の様子が、また途中で浅間山荘のニュースなどが挿入されたりする。日本全体がそわそわしていた頃。誰もが目には見えない何者かに動かされていた時代(…と、当時の空気を知らない私は勝手に想像している)。この雰囲気に、なんだか惹かれるんだよなぁ。どことなく昔の映画を見ているように感じたのは、こういう時代背景だから?

体操競技でオリンピックを目指していた知華は、競技会で平均台から落ちてしまい選手の道をあきらめる。たった1回の失敗で緊張の糸がプツリと切れてしまうのだ。その後は、ゆるやかに転げ落ちていく。転げ落ちることを拒みもしない。例えば、うまくいくと思った夫婦生活も、夫(田中実)が肺を煩ったことによって中途半端な状態になってしまう。どんどん転げ落ちる。

結局、知華だけでなく、登場人物の誰もが幸せを手に入れることはない。宙に放り出されたまま映画は終わるのだが、これこそが当時の空気・雰囲気なのだろうか。

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ここ数日、なんだかバタバタして「日記」が書けず、焦っていた。過去、手で書く日記には何度も挫折しているが、このHP日記だと、毎日アクセス数が減っていくのが分かるの... [続きを読む]

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