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2005.01.21

シネマ歌舞伎 野田版 鼠小僧

nezumi

シネマ歌舞伎 野田版 鼠小僧@東劇(1月20日)
作・演出:野田秀樹
主演:中村勘九郎

2年前の夏、生まれて初めて見た歌舞伎「野田版 鼠小僧」。歌舞伎にそれほど興味があったわけではなく、ぶっちゃけ言うなら、野田秀樹が関わっていたから。つまり、単なるミーハー気分で見たのだけど、いやはや、これがメチャクチャ面白い。野田秀樹の芝居は幾つか見ているけれど、その中でもベスト級。それくらい面白かった。初めての歌舞伎ということで、勉強しないと理解できないのかなぁと思っていたけど、そんな心配は杞憂。メチャクチャ分かりやすいストーリー展開。例えば、「走れメルス」と比べたら、天と地ほどの差があるくらい分かりやすい。まさに大衆芸能。笑えて泣ける。で、野田秀樹の作品は、やっぱりシンプルなこういうハナシの方がいいんだよなぁ、と改めて思った次第。

「シネマ歌舞伎 野田版 鼠小僧」は、それをハイビジョンカメラで撮った作品。所詮はナマの舞台にはかなわないだろう…と思って見たけれど、いやぁ、そんなことはない。面白い! 1度ナマで見たから面白く感じる…というわけではなく、作品そのものが面白い! しかし、ナマと映像では、ちょっとした違いがある。

●ナマの方が良いと感じた点
・舞台空間の広さをリアルに感じることができる
・舞台装置の迫力をリアルに体感できる(映像ではその迫力は伝わっていなかった)
・その時々にイチバン見たい場所を見ることができる
・感動的なラストシーンは、やはりナマの方がじーんと伝わってくる(舞台一面にパラパラと雪が降るシーン)

●映像の方が良いと感じた点
・役者を近くで見ることができる(いやぁ、歌舞伎役者はみんなうまい! ナマではそこまで分からなかった)
・自分が見た席とは違ったアングルから芝居を見ることができる
・テロップが出るので、誰がどの役者かというのが分かる(歌舞伎シロウトにはうれしい)

歌舞伎とはいえ、言葉遊び満載の野田節は健在。例えば、ケチでお金に目のない棺桶屋の三太(鼠小僧/中村勘九郎)が「金とともに去りぬ…」と言うシーンなんかには、思わず笑ってしまった。“おやじギャグ”スレスレ、っていうか、下らないんだけど、面白い。で、ビックリしたのが、こういうアドリブチックなセリフが随所にちりばめられていたところ。芝居と同じじゃん! こういうの、歌舞伎でもアリなんだぁ、と思わず関心してしまった。

そして、何よりも役者がみんなうまい! ビックリしたのが女役。もう、イヤみったらしいおばちゃんを、あんなにうま~く演じられるなんて。本物のおばちゃんよりも、おばちゃんしていたよ。子役は、まるで昔の日本映画を観ているようだし…。

*以下、ネタバレあり

町のウワサが作り上げた鼠小僧。いつのまにやら鼠小僧そのものになってしまった三太。「走れメルス」のメルスに似てなくもない。実体よりもウワサや言葉が先にある…みたいな。で、そのウワサ通りを演じなければならなくなってしまう三太。面白いよなぁ。肩書きが後から付いてくるのではなくて、肩書きがあるからそうなる…っていうの。あと、大岡忠相などエライ人たちの黒い裏側(いや、ある意味、人間的な側面)。でも、結局は、エライ人たちにみんなごまかされちゃう。考えようによっては、ものすご悲劇的な展開なんだけど、現代社会においても幾らでもありそうなハナシ。救いは、ラストで子役がちゃんと未来を見ていたところ。鼠小僧が小判を降らせてくれると信じて、両手の平を空に向けていると、パラパラ降っている雪に朝日が反射してキラキラ。まるで小判のよう。そこで、「これじゃぁ何も買えないけど、何だか気分がいいや」って、思わず、涙がうるうるしてしまったじゃないか! で、これが師走の24日のハナシ。…三太(サンタ)で12月24日ってオイ!

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コメント

トラックバックありがとうございます!

はい、いまどきいないくらい子役らしい子役でした、たしかに。

Sting公演うらやましい。Everybreath...はいつどこで聞いても鳥肌モンですね。
いつまでたってもワンパクロック小僧のSting健在でしたか、よかった~。
POLICE~Bring on the nightが好きです。
そして私はヒッチコックも大好き(笑)。
またよろしくお願いします。

投稿: marsha | 2005.01.25 10:44 午前

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