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2004.11.25

イブラヒムおじさんとコーランの花たち

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イブラヒムおじさんとコーランの花たち
@恵比寿ガーデンシネマ(11月23日)

監督:フランソワ・デュペイロン
主演:オマー・シャリフ/ピエール・ブーランジェ

朝イチの恵比寿ガーデンシネマに長蛇の列。同じ映画館でやっている「モーターサイクル・ダイアリーズ」は早々に最終回まで満席状態。大人気だなぁ。「そんなに良いか?」と思いつつも、「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」も満席。こっちも大人気。

「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」は、パリの裏町で暮らす13歳のモモ(ピエール・ブーランジェ)と向かいで小さな食料品店を営む老人イブラヒム(オマー・シャリフ)との交流を描いた作品。ずっと1人で店を切り盛りしていたイブラヒムは、とにかく寂しかった。ずっと孤独だった。自分の店で万引きを繰り返すモモと、ちょっとしたきっかけで、自分の息子、いや孫のように接するようになる。モモ自身も家族の愛に恵まれない不幸な境遇の持ち主。お互いが接するようになり、お互いがお互いに、今まで飢えていた家族を体験する。イブラヒムの人生が豊かなものになり、モモ自身も成長していく。つまり、「いいハナシ」である。

映画の大半はパリの裏町が舞台。正直、あんまりひっかかるところのない映画ではあったが、イブラヒムが車の免許を取って、モモと一緒に故郷のトルコへ向かう終盤は印象に残った。キアロスタミの映画を彷彿とさせる一本道を2人を乗せた車が走る。トルコの乾いた埃っぽい雰囲気が良い。

モモはユダヤ人、イブラヒムはアラブ人ではないもののイスラム教徒。…という設定だから、当然、イスラエルとパレスチナの関係が頭に浮かぶ。しかし、2人の関係にはイスラエルとパレスチナとの間にある「憎しみ」は一切ない。どこにでもあるおじいいちゃんと孫との微笑ましい関係だ。パンフレットで佐藤忠男も書いていたが、もしかしたら、「ユダヤ人とイスラム教徒が仲良くなってほしい」という願いが、この映画には込められているのかもしれない。

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