« 琉球美人 | トップページ | 朝日 »

2004.09.24

珈琲時光

kohi.jpg
珈琲時光@テアトルタイムズスクエア(9月19日)

監督:侯孝賢
主演:一青窈

小津安二郎生誕100周年を記念した作品なんだけど、そんなことよりも、こういう侯孝賢の映画、久しぶりだよなぁ。…というのが正直な感想。“田んぼ”ごしに家族を映したロングショット。これなんだよ、私が見たかった侯孝賢は。

まず、小林稔侍が演ずる寡黙なお父さんっぷりが二重マル。一青窈が演じる主人公のアパートに両親が行くというシーンがあるんだけど、一青窈は妊娠3か月であることを、つい先日、母に話したばかり。母は父に「あなたから言ってよ」みたいなことを言っているのだけど、父は何も言えない。言いたいことはありそうな顔をしているんだけど、黙って酒を飲んでいる。この時の小林稔侍の表情が実に良いんだな。

この映画、「いいよなぁ、こういう東京」と思える場所がたくさん出てくるのが、うれしい。

例えば、お茶の水駅の周辺。あの辺りは、地下鉄がひょっこり地上に現れたり、JRも総武線と中央線が並行に走っていたり、さらには神田川が流れていたりと、3次元的になかなか複雑なことになっていて、ボーッと見ているだけでも飽きない場所なのだけど、侯孝賢は、そういう場所をしっかりと撮っているのだ。見ていて、うれしくなる。

他にも、神保町にある天丼のお店「いもや」や有楽町にある喫茶店「ももや」などなど、「なんで台湾人の監督が知っているのさ」と思わず言いたくなってしまうような場所が次々と…。しかも、実際の店員さんが出ていたりするから、うれしい。いやぁ、うれし過ぎる。東京のいい部分を、ちゃんと撮っている。

主演の一青窈、賛否両論あるのかもしれないけれど、私はベスト・キャスティングだったと思う。恐らく東京のどこかですれ違ったとしても、私は気づかないだろう。それくらい東京の風景にとけ込んでいたと思うのだ。そこが、ベスト・キャスティングだと思う根拠。が、ラストシーンについてはひと言ある。最後の最後で一青窈の歌はいらないだろぉ。しかも、あんな大音量で…。私は、ラストシーンの余韻を静かに味わっていたかったのだが、他の人はどう思ったのだろう?

|

« 琉球美人 | トップページ | 朝日 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/51641/1509118

この記事へのトラックバック一覧です: 珈琲時光:

« 琉球美人 | トップページ | 朝日 »